チェコの2Dアニメーション ベストセレクション上映

チェコアニメ映画祭2006のプログラムから2Dアニメーションをセレクトしたアンコール上映です。DVDの購入を迷われている方は、こちらの上映をお薦めします。どのプログラムも内容の濃い構成になっていますが、チェコの絵本好きな方にはヨゼフ・パレチェクが美術を担当した作品で構成されているBプログラムを押さえておいて欲しいです。
2Dアニメーションというとセルアニメをイメージしがちですが、Bプロで上映される作品の中には、切り絵のパーツを用いたコマ撮りアニメーションが多く含まれています。セルアニメだとセルの裏側から着色する為、表側から見たときに均一の表現になってしまいますが、切り絵アニメーションだと、パーツの表側から着色し、そのパーツを一コマ一コマ動かしてアニメーション化するので、色彩豊かで手触り感のある表現になります。Bプロの中では、『ちびとらちゃん』がセルアニメで、『かばのティリーネック』、『魔法の果実園』、『けしのみ太郎』が切り絵アニメーションで制作されています。
『かばのティリーネック』、『魔法の果実園』は、色彩構成が素晴らしいのでスクリーンの大きめの画面で見ておいて欲しい作品です。アニメーションが好きな方には『魔法の果実園』の動きにも注目して欲しいです。この作品にはヤン・シュヴァンクマイエルなどの有名な作家の作品にアニメーターとして参加し、自身でも多くの作品を手掛けているヴラスタ・ポスピーシロヴァーがアニメーションを担当しています。最初はあまりこの作品に注目していなかったのですが、劇場でこの作品のオープニングのスタッフロールの中にポスピーシロヴァーの名前を見つけた瞬間、一瞬たりとも見逃せない作品という認識に変わっていました。色彩のダイナミックな変化と、鳥たちのスピード感溢れる動き。この作品はスクリーンでの鑑賞が良く似合います。気になる方はチェックしてみて下さい。

DVD発売記念!! チェコの2Dアニメ ベストセレクション
劇場未公開10作品+『チェコアニメ映画祭2006』アンコール上映
料金:特別鑑賞券1,000円/一般1,300円/学生・シニア1,000円
3回券2,700円
日時:2/24(土)〜3/2(金)
Aプロ(13:00)/Bプロ(14:30)/Cプロ(16:00)/Aプロ(17:30)
3/3(土)〜3/9(金)
Aプロ(13:00)/Bプロ(14:30)/Cプロ(16:00)Bプロ(17:30)
会場:アップリンクX
(『http://www.uplink.co.jp/x/log/001759.php』より)

○上映作品
●Aプログラム(6作品72分)
チャペックとベドジフ 共産時代の人気テレビシリーズ
「アマルカ」シリーズ&チャペック童話アニメーション

『アマルカ』(2作品)/監督:ペジトフ
『長い長いお医者さんの話』監督:チャペック
『カッパの話』監督: チャペック
『山賊の話』監督: チャペック
『郵便やさんの話』監督:チャペック
(詳細:http://www.a-a-agallery.org/event/moviefestival/03a_program.html)

●Bプログラム(8作品73分/美術:ヨゼフ・パレチェク)
「けしのみ太郎」「カシュパーレクとホンザ」シリーズ
『けしのみ太郎』シリーズ3作品
『かばのティリーネック』
『ちびとらちゃん』
『魔法の果実園』(他)
『カシュパーレクとホンザ』シリーズ2作品
(詳細:http://www.a-a-agallery.org/event/moviefestival/03b_program.html)

●Cプログラム(9作品74分)
チェコのモダンなアートアニメーション コウツキー&パヴァラートヴァーの新世代アニメーション
『復習』監督:シェチェパーネク
『ある粉屋の話』監督:シュヴァンクマイエロヴァー
『おじいさんは40人』監督:ベドジフ
『共存』監督:スメタナ
『バイオリン・コンサート』
『メディア』
『カフェ』以上、監督:コウツキー
『ことば、ことば、ことば』
『反復』以上、監督:パヴラートヴァ
(詳細:http://www.a-a-agallery.org/event/moviefestival/03c_program.html)

(『http://www.a-a-agallery.org/event/moviefestival/event03.html』より)

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